時間つぶしに手に取った一冊の本が、彼女の運命を大きく変えることになる。
「なんの本だろう。なんだか不思議な装丁だな」
昔の中国らしき地図が描かれ、『三国志』の文字が記された本。
中には武将の顔が描かれた人形がおさめられていた。
巴は面白半分で、本に書かれた質問に答えていく。
うっかり落とした人形が、本の上で跳ねる。
その瞬間、ゆらりと地図が揺らぎ――……
突如、本が光りだした!
「え……、何、これ……!?」
再び目を開けた時、そこはもはや彼女の知る世界ではなかった。
血で血を洗う戦乱の世で、巴を待ち受けるものとは――!?